2020-01-01から1年間の記事一覧

ポストコロナのベーシック・インカム―その財源は?

掲載にあたって:この文章はBIに関して1000字程度でまとめてほしい、との依頼を受けて記したものです。しかしBI最大の論点である「財源」論を全面に出し、反緊縮的観点の必要性を訴えたところ、全面修正を求められたため取り下げ、こちらで公表します。 ベー…

消費税の複数税率化(軽減税率)についての見解―「ティーケーキ」はケーキ?それともビスケット?

掲載にあたって:2013年に記した文章です。その後、2019年に軽減税率が導入されました。 1. 軽減税率について 消費税は一般的に、逆進的で不公平な税と言われます。支出額を基準に考えれば、消費税は比例的な税(買い物した金額に比例して多く負担する税)で…

220兆円の政府支出の「財源」をめぐる、ステファニー・ケルトン教授のツイッター・スレッド

2020年3月23日投稿、2020年3月27日翻訳 米国はコロナ危機に対し、2兆ドル(220兆円)という歴史的に前列のない財政出動を行うことを議会で合意しました。かつての世界恐慌では29年の株価暴落後、フーバーが均衡財政を取り続け大不況を招きました。当時の「常…

反緊縮経済学の3つの潮流

掲載にあたって:この文章は「ひとびとの経済政策研究所」に掲載されている松尾匡氏の文章を元に、2019年にまとめたものです。 私たちの言う反緊縮経済学には、左派ニューケインジアンと現代貨幣理論(MMT)、および公共貨幣論(信用創造廃止論)という3つの…

2019参議院選挙の結果分析ーれいわ新選組の躍進は日本における「左派ポピュリズム」の先駆け

掲載にあたって:このオピニオンは、2019年7月の参議院選挙直後に記したものです。 (1)全体の結果分析―3分の2議席阻止も投票率の低下に大きな課題 今回の参院選は、かろうじて「改憲勢力」が3分の2議席を維持することを阻止しました。しかしその一方で、投票…

財政破綻論者への公開質問状

掲載にあたって:この公開質問状は、反緊縮を巡る議論のために2019年10月1日に記したものです。この質問に対しての回答はいまだ得られていません。 財政破綻はいつなのか? 財政規律派は財政ファイナンスがはじまって以来、常に「財政破綻」のリスクを喧伝し…

経済政策の失敗は極右を招く―フランス新大統領マクロン氏への提言

掲載にあたって:この文章は2017年5月のマクロン大統領当選に際して記したものです。残念ながら、この懸念は現実のものとなりました。 フランス大統領選挙では事前の世論調査通り、マクロン氏が勝利し、極右政党であるフランス国民戦線のマリーヌ・ルペン氏…

日本のマスメディアが正しく報じない文在寅大統領の重要政策ー公務員拡大と原発縮小

掲載にあたって:この文章は2017年5月の文丙在寅大統領誕生に際して記したものです。その後、2020年のコロナ危機で文大統領の対策は国内外で高く評価され、4月の選挙で親大統領勢力が圧勝しました。これにより、文大統領はより野心的な改革を進めると考えら…